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40歳になって、歯列矯正を決意した
40歳になって、歯列矯正を受けることにした。費用を始め、矯正にはさまざまなデメリットがある。しかし平均寿命まで生きると仮定してまだ先は長い。総合的に考えるとメリットがデメリットを上回ると判断した。
一方で決断に至るまで「40代で矯正というのもどうなんだろう」と思ったりもしたので、その辺りの経緯や経過などを記録しておこうと思う。
交差している上下奥歯の矯正を行う。
矯正を行うのは、全体ではなく一部。左上の奥歯と、左下の奥歯。上下あわせて2本である。
全体矯正と一部矯正だとコストも異なれば時間やたいへんさも変わってくるだろう。全体矯正の感想などを知りたい方は、別の情報をあたったほうがより正確に知れると思うが、もしかしたら私の経過も参考程度にはなるかもしれない。
さて、私の症状についてだが、上下の奥歯が交差して生えていた。上の歯は外側に、下の歯が内側に倒れている。ざっくり45度くらいの角度だと思う。
この歯のせいで日常生活で大きく困ることはなかったが、口を閉じた時にカチカチ当たるのと、しばらく前から多少痛みが出ていたので多少気にはなっていた。
そんな折、普段通っている歯医者に、月に一度だけ矯正を専門にしている歯科医がきているというので、試しに診察してもらった。
困っているわけではないが気になるので矯正すべきかどうか、どのくらいの日数と費用がかかるかなどについて訪ねると、絶対に矯正すべきとは言われなかったものの、先の人生を考えると矯正したほうがいいだろうというアドバイスを得た。
セールストークなのかどうか私には判断がつかなかったし、つぎのパートで紹介する通り治療にかかる費用も高額なので一度持ち帰って検討し、家族とも相談することにした。
医師によると、歯は縦の力には強いが横からの力には弱いのだという。私の歯は内側と外側でこうさしたようなじょうたいなので、強く噛んだ時にそれぞれの歯に横から力がかかる格好になる。長い時間がこのまま経過すると、いずれは奥歯の周りの骨の高さが下がってきて、やがて抜けてしまう可能性があるということだった。
なるほど一理あるなと思ったが、簡単には踏ん切りがつかなかったのを覚えている。
総額35万円から40万円程度かかる見込み
家族に相談したり、いろいろと調べた結果、まあいろいろリスクもデメリットもあるようだけどやってみることにした。考えるのがめんどくさったのもある。悩むより始めたほうが楽になるだろうと思った。
さて、いざ始めるとなるとまず痛むのが財布である。矯正は保険適用範囲外なので高い費用がかかる。
私の場合は総額で35万円から40万円程度の費用がかかる見込みだった。
治療にかかる費用は大きく分けると二種類ある。
まず、矯正器具を作って取り付ける費用。これが私の場合は30万円。ここには、実際に矯正器具を作るにあたっての型取りにかかる費用や、奥歯を正しい向きに揃えた後で、高さを揃える必要が出た場合の矯正器具の費用も含まれている。
もう一つが診察にかかる費用。毎月一度、矯正の医師に診察してもらう必要がある。矯正の進み具合をみたり、状況に応じて器具の調整をしたり、そういったことをする。これが毎回4000円。
矯正にかかる期間は人によって異なるし、矯正の内容によっても違うそうだが、ざっくり1年から1年半ぐらい、あるいはそれをもう少し超える程度を想定している。私の場合1月に矯正を始めたが、1年で終わったとして診察費が約5万円。2年かかったならざっくり10万円。
矯正器具にかかる30万円に月一度の診察費用4000円xかかった月数を足して、ざっと35万から40万円と言う計算になる。いや、これに消費税が加わるのでもう少しかかることになるか。いずれにせよ高額である。
悩んだ理由と決意した理由
これだけ治療費がかかるとなると当然悩む。費用だけでも大きな負担なのに、それに加えて歯の矯正はしゃべったり食べたりする際に大きな負担もかかる。余計に悩む。
費用のことは、家計によってどの程度まで許容するかは異なるので、人によって悩むレベルは違ってくるだろう。このくらいの費用はまったく痛くも痒くもない人もいるだろうし、ちょっと今時点では検討できないという人もいる。
喋れないことや食べにくい点も、これはこれで難しい問題である。
例えば話すことを職業にしている人だと、滑舌が悪くなるのは死活問題だろう。声を仕事にしている人、電話でのやりとりが非常に重要な仕事の人など、悩むだろうと思う。
私の場合、仕事では会議が多い。しかも英語を使う機会が多い。発音は悪くはないが、それでもネイティブスピーカーに比べるとはっきり発音できていないはずなので、滑舌が悪くなることはそれなりにデメリットである。しかもこのところリモート会議が増えている。口頭でのコミュニケーションの重要性は増している。
とはいえ、なんとなくだが乗り越えられるのではないかとも思った。口頭でのやり取りは重要だが、一方で文字でのコミュニケーションだって使うことはできる。むしろ文字コミュニケーションの割合を増やすことによって、記録に残しやすくなるのはメリットになりうる。さらに英語でのやりとりでは、文字コミュニケーションは自動翻訳等を活用できて、ノンネイティブには有利な点がおおい。
こう考えてみると、案外なんとかなるかもと思った。
歯列矯正のもう一つの大きい悩みの種は、食事である。口の中に器具が入るため、やはり食事はしづらくなってしまうことはわかっていた。
この点については、デメリットがそのままメリットになるかもしれないと考えることにした。食べにくければ、食べたくなくなるかもしれない。そうすると、痩せるかも!という安直な考えだ。
実際は、ただ食べにくいから食べられないだけで、食欲がおさまるわけではなかったため、狙い通りとはいかなかったわけだが、しばらくすると食べる時の苦痛にも慣れてくるし、口に器具が入っていてもうまく食べられるようになるので、案外大した問題ではなかったかもしれない。人間の、変化に慣れる力というのは大したものだと感心した。
経過
以下は開始前からの経過の記録。随時書き足していきたい。
一週目、早速矯正開始かと思ったら、まずその準備をすることになるらしい。矯正器具を装着するためのスペースを作るために小さい輪ゴムを四か所にいれる。直径5ミリくらいの輪ゴムだ。人によるのだろうが、私の場合は歯と歯の間が詰まっているそうで、簡単には入らない。医師が「ん!ん!」と小さく唸りながらねじ込むので不安になる。なんとか入ったが、この違和感が凄まじい。