オシャレでも高級でもないのにずーっと私たちの身近にあって、日常の一風景になっているのがドトールです。
カフェや喫茶店に入るとき、たとえば目の前にスターバックスとドトールがあって、どちらかを選ばなければならないとして、その時の気分次第で選ぶ店は変わります。
スターバックスは今ではもうかなり身近でフレンドリーなブランドになっていますが、それでもまだ第3の場所的な位置付けなわけで、そんな高尚なことを言う店ですから、心もほんの少し着飾っていなければなりません。首回りが延び延びになってTシャツでは入れません。あくまで「心と気分」の話です。
その点ドトールはどうでしょう。心と気分をTシャツで例えるなら、穴が開いてなければギリギリOKぐらいの感じ。それがドトールです。
首回りが伸びていても、多少黄ばんでいても、そのくらいは許してもらえる。いや、そんな自分を許してやりたい時にでも入ってのんびりさせてくれる店こそがドトールなのではないかと思います。
普段着もしくは部屋着な感じの心でやってきても許してもらえるような、そんな感じです。
ドトールも最近では少しオシャレな雰囲気の店舗がたくさんできています。ロゴマークもライトアップされて可愛くなっていたり、内装も以前とは違っているように見えます。
それでも、ドトールはいい意味でドトールです。少しくらいオシャレな雰囲気をまとっていても、部屋着な心でやってきた私たちを温かく迎えてくれます。
200円ちょっとで美味しいコーヒーやホットドッグを提供してくれる。コーヒーを飲んで、ホットドッグにかじりついて、それでも500円以内。店舗はそれなりに落ち着いていて、店員たちもほどほどに丁寧でスピーディー。
それなのに、心は部屋着でいっても許される感じ。
スターバックスではそれは難しいですし、まあもしかしたら10代の若い人たちは少し違うかもしれませんが、いい大人になら過去の経験から部屋着の心では入れません。
一方で、エクセルシオールやベローチェだとどうかと言うと、これもまた部屋着になるほどではないのです。この場合はスターバックスで部屋着が難しいのとはまた少し違います。
スターバックスは、ちょっとだけ心の装いに気をつけないと入りづらいという意味ですが!エクセルシオールやベローチェは、反対にその雰囲気の目が粗い感じから、こちらが部屋着の心で入りたいと思えるほどの親近感を与えてくれないのです。
心は戦さ場にありながら、一瞬だけ身と心を癒すために入るのがエクセルシオールやベローチェです。
ドトールは違います。
体は野ざらしであっても心は自室にあり、部屋着に戻ることを許される。ほどほどのコーヒーの香りもともに、一人でいるような時間を味わえる。そんな場所なのです。