下戸の皆さんこんにちは、ペパローです。

飲めない人が飲まないと許してもらえない系の飲み会に参加すると、つらいですよねー。飲めないって言ってるのに「あれ、飲まないのぉ?」とか言ってくる、いわゆるアルハラはまだ絶滅せずにしぶとく残ってます。

飲み会は遠慮なくバシバシと断る私なので、最近でこそ飲み会にも誘われなくなって平和な日々を過ごしていますが、かつては飲まなければ話にならない飲み会に出るときにはつらい思いをしていました。

私よりもずっと下戸な父親の知恵

ところで私の父も下戸です。アルコールを消化できるかどうかは遺伝によるところが大きいのでしょうが、彼は私よりもずっと酒には弱くて、どのくらい弱いかと言うと奈良漬を一切れ食べただけで倒れてしまうくらいに弱いです。

そんな父が若い頃は、今とは比べものにならはないほど仕事での飲み会は大事だったそうです。飲みニケーション全盛で、昼は仕事、夜は酒と頑張って初めて男という感じだったのでしょう。

ところが彼は奈良漬が食べられないほどに酒が飲めない。あーあ、「酒が飲めたらなあ」と他の人に聞こえるほどの声で独り言を発したのを何度も聞きました。

でも、父は飲めないながらも頻繁に飲み会に参加し、そこで楽しく過ごして会社でもきちんと認められる存在になっていたようです。下戸は遺伝しなくてよかったんですが、その社交性は欲しかったというぼやきもありつつも、私は彼にどうやってうまくやり過ごしているのか聞いたことがあります。
すると父は、こう答えました。

「例えばビールを頼んだとする。すると、ビールはどんどんグラスを開けるのが当たり前の飲み物だし、若手もベテランもビールの状況を確認するのが習慣になっているから、飲んでなければすぐバレる。それになんとか頑張って一杯開けたとしたら、すぐに注ぎにくるやつが出てくる。弱いから結構ですと伝えても、まあまあもう一杯と勧めてくるやつは必ずいる。だからといってウーロン茶では許してもらえないことも頻繁にある。」

さらに彼は続けます。

「若いうちは飲まない代わりに食べまくるという手もあったが、体にもよくないし歳を重ねるとそんなに食べられなくなってくる。結局何かアルコールを頼まなければならない。だから俺はしばらく前からウイスキーを頼むことにしている。なぜならもう一杯どうですかと勧められないし、グラスが空いてなくてもみんな気にしないからだ。だからブランデーでもなんでもいいが、変に話が膨らんでも面倒だ。オーソドックスなもののほうがいい。そこでウイスキーだ。頼んだウイスキーを、口をつけるふりをして握っておくんだよ。ついでにチェイサーも頼んどけばさらにいい。

ウイスキーが空いてないのに、勧めてくるやつはそういない。勧めてくるならそんなやつはあんまり賢くないから放っておいても支障はない」

なるほどー、と私は唸ったのを覚えています。飲めないから弱い酒を頼もうとするのではなく、ゆっくり飲むタイプの酒を注文しておいてしかもそれを飲まない。なかなか策士だなと我が父ながら思ったものです。

最近では無理やり酒を飲まされることが少なくはなってきましたが、それでも飲まなけれならない雰囲気になることはあると思います。そんな時は、ウイスキーを頼んでそれを飲まずに持っておくという手もあると知っておくと、すこし安心かもしれませんね。