大学教授から学んだ年賀状をやめる方法

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私には恩師がいます。学生時代に私を導いてくれた先生です。

どちらかと言わなくてもドライな性格だと自分でも思う私ですが、この先生にはきちんとしておきたいと思っていて、私としては珍しく自ら望んで年賀状を出しておりました。

恩師はもっとドライでした

ところが、私の恩師はもっとドライでした。

ある年、その恩師から年賀状が届きました。先生は年賀状でいろいろメッセージを書いてくれるタイプではありません。干支と簡単な定型文が印刷されている年賀状がポンと届くのが例年のことでした。

ところがその年は珍しく一言メッセージが添えられています。そこにはこう書かれていました。

「フェイスブックで繋がっていますので、来年からはそちらでお願いします」

先生はそのとき70歳近かったと思いますが、昔からデジタルはしっかり活用されていて、ソーシャルメディアも早々にアカウントを取ってお使いでした。

こまめに投稿もするのでさすがだなあとは思っていたものの、まさか年賀状をフェイスブックに切り替えると宣言されるとは思っていなかったので驚きました。

まあ、たくさんいる教え子の一人でしかないわけで、全員にずっと丁寧し接しているわけにもいかないことは分かります。いちいち年賀状を返していると、手間もコストもかかりますから。

このメッセージは使える

さて、私の恩師が送ってくれたこのメッセージですが、これは使えるかもしれないなあと思ったのです。

年賀状を断りたいとき、本当に難しいのが、やめることを伝えてからやめるか、それともこっそりフェードアウトしていくか、です。

やめますね、と言ってからやめるのが潔くはありますが、このときさてどうやって言ったものか本当に悩みます。年賀状をやめる理由として、しっくりくるものがないのです。

かといってしれっとフェードアウトするにも、なかなかの胆力を必要とします。

そこで我が師のメソッドです。

年賀状をやめることは高らかに宣言しますが、かわりにフェイスブックでは来年からはメッセージを送りますね、と代案を示すのです。

そうすると、年賀状はなくなってもあなたとのコミュニケーションは続けるんですよー。ただ、ハガキでやるコミュニケーションって今っぽくないし、お互い負担ですからやめるっててもありますよねー、といううまい流れが作れるのです。

この「フェイスブック」の部分は、実際なんでも構いません。ツイッターでもインスタでもラインでもなんでもいいです。とにかく、連絡はしますよと明確に伝えることが大切なのです。

ちなみに翌年以降の恩師は

さて、こうやってうまい事言って私に年賀状を送るのをスッパリやめた私の恩師が次の年からどうしたかについて触れておきますと、あれから3年、今の所私のフェイスブックのメッセージボックスには一度も先生からのメッセージは届いておりません。

そんなドライな恩師が大好きです。

アメリカも似たような感じらしい

よく考えてみると、年賀状と似たようなことをアメリカでもやってますね。クリスマスカードです。ちょろっと調べてみただけでも、クリスマスカードを送るべきか、とか、私がクリスマスカードを送らない理由、とか、そういった内容のブログが山ほど出てきます。

やっぱりファミリーアンドフレンド至上主義のアメリカであってさえも、クリスマスカードはやめたくてもやめづらいもののようです。

その中でクリスマスカードを送らないという人の記事を一つ紹介します。

今年私がクリスマスカードを送らない3つの理由(3 reasons why I am not sending you a Christmas card this year.

(話がずれますが、日本でもアメリカでもブログのタイトルって「なんとかの3つの理由」みたいな似たようなものが結構あるものなんですね・・・)

この記事の著者は11月に引っ越したばかりなのでクリスマスカードを送らないということにも触れていますが、それよりも大きな理由として次の3つを挙げています。

1:コスト

この方は毎年100ドルほどクリスマスカードにかけていたようです。カードを買ってきて、それを加工して、送ったりするとそれぐらいかかるのでしょうね。日本でも似たような金額になっている人も多いと思います。

ちなみにこの方は浮いた100ドルを自分が気に入っているチャリティーに寄付するということらしいので、この辺は日本人の感覚とは違いますね。さすがは金持ちもそうでない人もたっぷり寄付するお国柄の人です。

2:時間がもったいない

つづいて、時間がもったいない(時間は大切)という点も理由としてあげています。

今本当に大事なことに時間を使うべきで、自分たちの場合は年々大きくなっていって子供たちと今できることをしっかりとやっておくこと、ということのようです。日本の年賀状はほとんどがプリンターで作りますし人によってはネットプリントとかで完全外注のこともあると思います。それと比べてアメリカのクリスマスカードは手作りな部分が多いからか、時間を無駄にしている感覚があるのかもしれません。

個人的にはかなり共感できるポイントです。

3:そもそも今年私がしたことは、みんなFacebook知っている

これは今っぽいといいますか、実態に即した理由です。仲がいい友達とかは、そもそもFacebookでつながっているわけで、Facebookに投稿をしていればそれで日常的な様子は伝わっているのだから、クリスマスカードでわざわざ伝えなくてもいいんじゃないの?ということですね。

私の恩師と同じような考えといえば考えです。

確かに言われてみればその通りなのですよね。仲がいい人ならLineなりFacebookなりでつながっていることが多いわけで、年に一回紙のカードで近況報告されたからといってそこに違いがあるかと言われればないわけです。

とはいえ、まだまだ手に触れられる紙のほうが温かみが感じられるから好き、という意見の人も少なくはありません。(タンジブルなんていう言葉がはやったこともありましたね。)だからあまり真っ向から「紙の年賀状を出す人なんて時代遅れだ!」とかいうと怒られそうですし、実際私もまだ100パーセントは辞めていないわけなのですが、それでもここで書かれている3つの理由は、私たち日本の状況を考えてみても同じような理由で年賀状を辞めてもいいのかもなあ、と思えるものなのではないかと感じます。

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