10年で5回引っ越しをしたらいろいろ勉強になった

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今はマンションを購入して暮らしているが、賃貸に暮らしているときは結構頻繁に引越しを繰り返した。

長いと4年、短いと1年で引っ越したりもした。東京に来てから10年になるがその間に5回ほど引っ越ししている。

引っ越しの理由はいろいろで、家族構成が変わったりだとか、隣人とのトラブルで怖くなって逃げ出したりだとかいろいろだ。

引っ越しは手間もお金もかかるし、たいへんなことも多いのだが、住む場所が変わると刺激になっていいし、さらにそれに加えて自分の中に住処についての知見がたまっていくのがよかった。

特にマンションや家を買うときには以下のようなことを決めながら選んでいかなければならないが、私の場合は引越しを多くして来たおかげで自分の経験から何がどの程度重要かを考えながら家を選ぶことができた。

  • 方角
  • 駅からの距離
  • 都市部、郊外
  • マンション、一軒家
  • 低層階、高層階

方角

私の場合は狙ったわけでもないが、東西南北全ての方角の部屋に住んできた。たまたま引っ越した先がいろいろな方角だったのだが、結果的にはいい勉強になった。

結論から言えば、南向き(東南、西南含む)以外は私には辛かった。

北向き

とにかく寒い。そして暗い。タワーマンションなら北向きも悪くないというが、そうでなければコストが安いことを除きいいことはない。

洗濯物も乾かない。夜帰ってきたらこれでもかというくらいに部屋は冷え切っている。湿気もこもりやすく、結露がすごい。夏はそう言えば涼しかったかもしれないが、夏なのに暗かったことのほうが印象が強い。

北向きは安いが、安いものにはそれなりの理由があるという大きな学びは得られた。

西向き

北向きに比べればだいぶんましだが、それでも暗い。日が差し込んでくるには来るが、夕方の日差しは物悲しくて晴れやかな気分になることはない。好みにもよるかもしれないが、実際西日しか当たらないとさみしい気分がするものなのではないか?

あと、寒いし暑い。いいタイミングで日が当たらないから、冬場はしっかり寒いし、夏場は夏場でバッチリ暑い。洗濯物は西日だけでは乾きにくい。

東向き

北向きよりは圧倒的に良い。西向きと比べても、朝日が差し込むので気分が良い。

しかし洗濯物は相変わらず大して乾かない。午前中の日差しだけでは十分ではない。

夏の暑さは東向きの場合はかなり改善される。しかし問題は冬だ。東からの朝日だけでは暖かさは不十分。寒い。そして午後暗くなるのも早い。

南向き

結局南向きしかない。どんな季節でもある程度明るさが保たれているし、暖かさもあり、夏場はそれないに暑いが西日がガーッと差し込んで来るわけでもない。

東西南北全てを経験した結果、南向きが最高、少なくとも東南あたりでないもつらいことがわかった。北向きや西や東の価格の優秀さには惹かれるものはあるが、しかしその表面的な魅力に負けてはいけない。南に向いていることの大切さを身に染みて知った。ちなみに東に若干振った南向きのマンションを私は購入した。

駅からの距離

これもいろいろ試す結果になった。これまで住んだところだと、駅徒歩2分、3分、5分、7分、16分、となる。

もともと極端な駅近志向だったが、もしかしたら以外と遠くてもいいのではないかと少しずつ離れていって最終的には15分越えになってしまった。

最初の2分のマンションは最高だった。都心の地下鉄駅が最寄りで、立地だけが売りの激狭ワンルームだったが、それでも立派だけで全てをカバーできた。

次の3分のマンションは、少し都心から外れた東京23区の東側の地下鉄駅。それでもそれなりに便利なところだったが、地下を走る線路の真上に建っていることがいけなかった。電車が通るたびに微振動がしてごとごとと低い音が聞こえてきた。分譲賃貸だったので、それほど悪い建物ではなかったはずだが、それでも線路の真上はダメだった。駅からの距離は良かったものの、地下鉄の上に住むのは向いていないことを学んだ。

続いては駅から5分のところ。23区の西側の地下鉄駅。距離はそれほどないが、若干坂になっている。といっても全部で歩くのは5分だから全く問題ではない。静かなところだったので、なかなか暮らしやすかったし、距離も程よく線路から離れていてよいところだった。このあたりで、ちょっとくらい駅から離れても大丈夫かなあと思い始めた。

その次に住んだのが、駅から7分の距離のところ。こちらは多摩地区の私鉄沿線沿い。緑豊かなエリアで気持ちよかった。歩く距離7分も決して遠いというわけではなく、楽だった。が、それまでよりも都心から離れてしまったためにその分不便な印象が強くなってしまった。この辺りは人によって好みが分かれるところで、街中から離れたい人には問題にならないのだろうが、アウトドア好きでなかったり自然な囲まれていなければダメという人でなければ、都心に近いほうが暮らしやすいのだなあという気づきがあった。

そして最後が駅徒歩16分。23区の東側に戻ってきた。地下鉄駅で便利の良いエリアだったが何しろ駅が遠い。しかし案外いいところもあって、何かと言うとそれまでひどかった腰痛がすっかり治ってしまったことだ。歩くことが健康のために大切であることが、よーく分かった。そして同時に、とはいえ15分を超えると結構遠く感じることもしっかり分かってしまった。自宅に着く頃にはヘトヘトになってしまう。運動不足解消にはもってこいだ。その分、しんどいという覚悟を持って住む必要はある。

車があるなら、15分超えてもそれほど問題はないだろうと感じた。しかし車を持たないとなると、7分を超えるとちょっとしんどいように思う。自家用車でなければ、カーシェアやレンタカーをすぐに使えるような立地であるほうがよいと思う。

私の場合は、通勤時間を可能な限り短くしたいという思いが強くなったため、駅から3分のところにマンションを購入したわけだが、5分以内ならなんとかなるだろうなあという思いはある。

都市部か郊外か

はじめに東京で暮らしたのは、中央区だった。人形町から歩いて2分。水天宮までいけば半蔵門線で渋谷にも出られるし、勤め先も中央区内にあったので、めちゃくちゃ便利だった。しかもビジネス街にあたるため、土日は全然人がいない。しかし問題はスーパーがほぼないことだ。一人暮らしなら良いが、ファミリーだと少々厳しい。

次は23区の東側、西側と続く。都心に視界とは言わないが、まあそれほど遠くもなかった。どちらも副都心エリアには比較的すぐに出られるし、通勤も30分から40分程度で楽だった。買い物も便利だったので、それなりに都市部に近いメリットを享受できていたと思う。

次が多摩地区。ここが問題だった。この頃から車を持ち始めたのだが、車がなければかなり辛かっただろうなあと思う。駅まで7分で、それは別に良いのだが、都心に出ようと思うならかなり覚悟して出かける感じだった。結果として、ほとんど都心には近づかなかったように覚えている。かといって、車があっても幹線道路はとてつもなく渋滞するから、郊外にたくさん出られたというわけでもない。車で抜け出すにも少しでも朝出遅れると、あっという間に渋滞に飲み込まれる。どこかに行くために車に乗って、ただひたすら渋滞の中で車に乗ってノロノロ進むとも進まないとも言えないスピードで動いていた。

そのあとはまた23区の東側に戻ってきた。ほぼ千葉県という辺り。ここは日本橋や銀座などに出るならかなり便利なところだが、なにしろ駅から15分以上かかるところに家があったので、電車に乗ることはそれまで以上に減ってしまった。休日はほぼゼロだったように思う。で、車に乗って千葉の方とか茨城の方とか、休みになると出かけていった。それはそれで良かったが、問題は通勤だ。ドアツードアで一時間以上かかったし、なにより電車がとてつもなく混雑する。当たり前の時間にで車に乗ろうとするとはじき出されるので、まだ空いている時間に通勤するようになった。具体的には6時45分ごろの電車だ。しかしそれでも座れることはなかった。とにもかくにも通勤がつらい印象だ。

郊外が良いか、都市部が良いかと考えると、私はアウトドアも自然も好きではないので、郊外にメリットは感じなかった。一方で、都市部に多少近づいても通勤が辛ければ体にこたえる。結果として私は23区の西側、通勤時間30分程度のところに家を持ち、車を手放すことにしたわけだが、今のところ良い選択だったと思っている。

マンションか一軒家か

東京では一軒家に暮らしたことがないので、残念ながらこの点については経験できなかったが、しかし実家が一軒家なのでどんなものかは想像がつく。

一軒家とマンションを比較してみると、マンションの強みは寒くないとかセキュリティが高いとか、あとはゴミ捨てなどが便利とかそういうことになるだろうが、実はこれは物件による。

例えば最近まで住んでいたマンションは、二階でその下が駐車場になっていた上に角部屋だったので、とても我慢できないほど寒かった。しかも東向き。夜になると凄まじい冷えが襲ってくる。床暖房をつけ、エアコンを入れて、フリースだのダウンだろユニクロたちを総動員して寒さに耐えていた。同じマンションの二階でも、南向きで下に家があるところでは、むしろ反対に暑いくらいだったというから、日当たりと隣家、下階の有無はかなり大きく影響するようだ。

一軒家も魅力的だったが、東京では立地や価格の面から自然とマンションを選択することになってしまった。

低層階か、高層階か

こちらも残念ながらほとんど低層階の部屋だったので、高層階と比較することは難しかっ庵。唯一、学生時代に留学していた頃、寮の部屋が11階辺りで、部屋はおんぼろだし風呂もトイレもキッチンも全て共用で音漏れもひどくて最悪だったが、景色が最高だったことはよく記憶している。景色は毎日見るものなのでいずれは飽きるかもしれないが、それでも時々思い出したように遠くを眺めていると案外落ち着くものではあることは、その時の経験から学んだ。

ということで、今の家は4階で決して高層階ではないが、高台にあるため視界は抜けていて、ゴミゴミしているとはいえ空と街並みが見えるので、満足している。

賃貸であることを生かしていろいろ引っ越しすることをおすすめ

ということで、マンションを買うまでにいろいろと回り道をしたし、引っ越す度に後悔したり満足したりいろいろだったわけだが、経験はいずれは何らかの形で活かすことができるのだとも後になって見ると思う。あのとき北向きの部屋で凍えて自分に北向きは合わないことを知ったから、マンションを買うときにも価格を重視して北向きを選ばない選択ができた。また、15分以上も駅から離れたところに住み通勤時間が長いことが自分にとってどれだけ苦痛かを知れたから、比較的通勤に時間がかからないエリアを選択できた。今のマンションが最適解かどうかはわからないし、改善できるところはまだまだあるけれども、また引っ越したの?などと揶揄されながらもいろいろ試してきたことは、今となってはよかったなあと感じている。

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