居住中物件の内覧で、役に立つ情報を集めよう!
こんにちは、ペパローです。
中古マンションならではメリットは、購入する前に今まさにその物件に住んでいる人に直接会って話を聞くことができることです。これは中古マンションの内覧ならではの強みです。新築物件の場合は、実際にその物件に住んだらどんな良さがあるか、またはどんな不便なことがあるかを誰かに聞くことはできません。しかし中古物件であれば、何年もそこで暮らした人と会って話せる。このチャンスは絶対に生かすべきです。
私も何件も内覧をしましたが、最終的に購入した物件は居住中の状態で内覧させていただいた物件でした。空室の状態で見ると広々としてすっきり見えますが、そこで自分が暮らした時のイメージを持ちにくいという欠点があります。居住中であれば暮らしている様子をイメージしやすい環境で物件を見られるので、申し込みを行うときも、あるいは契約するときも、かなり安心して進めることができました。
しかしです。せっかくの中古マンションのメリットである「居住中物件の内覧」を避けてしまう、という中古マンション購入検討者が少なくないそうです。内覧予約は空室の方から埋まっていく傾向があるという話もあるようです。
確かに気持ちはわかります。売主は物件を見てもらいたがっているとはいえ、初対面の他人の家に上がり込むのは多少ためらわれます。また、私のように若干潔癖性なところがある人にとっては、それがどれだけ清潔な家であろうとも率直に言って足を踏み入れることはあまり気持ちの良いものではありません。ですから、空室物件から内覧したくなる気持ちもわかります。ですが、大切なのは自分が求める物件に出会うことです。他人の家に上がるのは気がひけるとか、ちょっと居心地が悪いとか、いい気分ではないとか、そんなことを言っている場合ではありません!居住中だからといって避けてしまわず、良さそうな条件の物件が見つかったら、それが居住中物件であっても必ず内覧に行くべきだと思います。
そもそも居住中の物件を見られるということこそが、繰り返しになりますが中古物件の最も大きなメリットの一つでもあるのです。古さと引き換えに、住んでみてどうだったかを知っている人と会って話ができるのですから、この機会は絶対に生かすべきでしょう。
もし気になっている物件があり、それが居住中なので迷っているという方がいるのであれば、いますぐ内覧を申し込みましょう。
いざ内覧へ!でも何を質問したらよいかと不安・・・
さあ居住中物件に申し込みましたか?はい、問題はここからです。
そもそも居住中の物件を見に行くというだけでも、かなりの収穫があるはずです。使用中の家具があり、荷物があり、そこで暮らしている人もいるので、どのように暮らせる物件かのイメージがかなりしやすくなるからです。どの程度の大きさのテーブルを置くと便利そうか。どのくらいの荷物を収納できそうか。こういったことが分かるだけでも物件選びにはかなり役立ちます。しかし、それだけでは居住中の内覧の良さを100パーセント活用できているとは言えません。
そうです。居住中の売主から、生の情報を引き出さなければならないのです。そしてこれが難しい!
普段から人にインタビューをしていたり、会話で情報を引き出す仕事をしていたり、コミュニケーション能力が高い人であれば特に困ることはないのかもしれません。相手の気持ちをほぐしながら、こちらか知りたいことをしっかりと引き出すことは彼らにとってはそれほど難しいことではないでしょう。しかしながら、そんなことができる人はそうそういません。
しかも売主はたいていの場合は初対面の相手ですし、その人もプロの売り手ではなく初めて家を売る普通の人です。話をするのが上手い人であるとも限りません。
では、どのようにすれば役に立つ情報を得られるようになるかというと、基本的には場数をこなすしかありません。場数をこなして、何回も物件に足を運び、初対面の売主に頑張って質問するという経験を積んで慣れていくことが、有益な情報を得るための近道なのだと思います。
とはいえ誰だってさっさと情報を得られるようになりたいのは当たり前です。そこで、質問リストを作ってみました。ほとんどが私が実際に内覧の際に使ってみた質問です。どれも役に立つ情報を引き出すことに成功した質問ばかりです。
内覧前日や当日の朝にざっと目を通していただいて、聞きたい質問を頭に入れておくと安心です。もしかしたら印刷するなりスマホでこの画面を見るなりして、チェックしながら売主と話をしてみるのも良いかもしれません。皆さんが素晴らしい物件に出会えることを祈っています!
(細かいことはいいからとりあえず質問リストが見たい、という方はこちらから。このページ末尾のリストに飛びます。)
「内覧での質問リスト」・・・の前に。
売主から情報を得やすくするためのコツがあります。それは何かというと、少し売主をいい気持ちにさせておくことです。売主も人ですし、内覧や販売に当たって先方も緊張していることも多いです。こちらに対して好感を持ってもらい、短い時間とはいえいい関係を築いておくことが、売主から情報を引き出しやすくするための秘訣です。
例えば「使いやすそうな間取りですね」とか「眺めがいいお部屋ですね」のように物件そのものを褒めてみるのも良いでしょう。あるいは、「素敵にお住まいですね」「おしゃれなテーブルをお使いですね」などと住まい方についてつぶやいてみるのもよいでしょう。あるいは夫婦で見に行っているなら「いいマンションだね〜」と小声で話をしてみるのもよいでしょう。
はじめは勇気がいることですが、素直にいいと感じた部分について口に出すのであれば大丈夫です。ここで嘘をついてはいけません。本当に自分が感じたことだけを言いましょう。このときどこも褒める部分がない物件は、やめておいたほうが無難かもしれません。
売主も人間です。褒められるといい気分になります。こうして少しでも売主の心をほぐしておくことが内覧では実は有効だったりします。さらに申し込み後に交渉する際にも、売主に好感を持たれておいて損することはありません。ベタベタな手法でも、こういった努力は怠らないようにしましょう。
内覧で売主から役立つ情報を引き出すための質問リスト
では改めて、質問リストです。
1 「お引越しされるのはどうしてですか?」
なぜその物件を手放すことになったのか、確認しておきましょう。目的は、近隣トラブルが理由ではないかを知ることです。ただし、近隣トラブルが原因の場合は、売主はそれをそのまま伝えてはくれないと思います。不利になってしまうからです。そこで、回答が自然な理由になっているかどうかに着目するとよいです。たとえば、「子どもが一人増えて手狭になったから」とか「子ども夫婦と一緒に暮らすことになったから」といった回答であればそれほど疑わなくてもよいと思います。
問題は「近所に引っ越すことになったから」といった曖昧で答えになっていない回答の場合です。例えば上記の回答であれば、「近所に引っ越す」と言っているだけで、引越しをする理由になっていません。もし今住んでいる物件が良いものであれば、突然手放すことにはならないはずです。もしかすると同じ物件に住む住民とのトラブルがあったり・・・という可能性がないわけではありません。
ですから、このような回答だった場合はもう一歩踏み込んで質問してみましょう。もちろん人に言えないような理由である場合もあるので、踏み込み過ぎは禁物ですが、何かトラブルを抱えているのであれば次にそこで暮らすかもしれないわけですから知っておく必要があります。しっかりと情報収集するようにしましょう。
2「住んでいて一番便利に感じるところはどこですか?」
こういったストレートかつスタンダードな質問もしっかり活用しましょう。売主は用意していた回答を返してくるかもしれませんが、それも検討の参考になる「生の声」です。
また、この質問に回答するには物件の長所を挙げていけばよいので、売主にとっても答えやすいはずです。おしゃべりな売主さんであれば、どんどん情報を提供してくれるでしょう。
間取り図や物件資料からだけではわからない、住んでいる人だけが知っている情報が出てくる場合もありますから、毎回使える質問の一つだと言えると思います。
3「出勤されるとき、どの駅をお使いですか?」
物件の周りに複数の駅がある場合に、特に有効な質問です。
私がこの質問を売主にしたときは「朝会社に行くときは一番近くの駅から電車に乗ります。でも帰りは隣の駅で降ります」という話をしてくれました。なぜ行きと帰りとで使う駅が違うのか不思議だったのでその理由を尋ねたところ「隣駅の近くにあるスーパーが遅い時間まで開いていて便利なんです」ということでした。このことから、隣駅も十分生活に利用できるエリアであることが分かり、検討するに当たってたいへん役に立つ情報になりました。
このような回答以外にも、もしかしたら季節や時間帯によって使い分けている人もいるかもしれませんし、実は最寄駅より少し離れた駅の方が便利といった情報も得られるかもしれません。
駅のリアルな利用状況を知ることは、その物件を検討するにあたりたいへん有益です。特に複数駅を使用できそうな物件の内覧で、ぜひ使ってみてほしい質問です。
4「お隣にはどのような方がお住まいか、ご存知ですか?」
戸建でもマンションでも、近隣に住む人がどんな人かを知っておくことは大切です。本当は隣の部屋の人を訪ねて話をすることができればベストなのですが、さすがにそれは売主さんや住民の皆さんに迷惑がかかるかもしれないので、売主さんに必ず質問するようにしていました。
「小学生のお子さんがいる4人家族です」とか「お年を召した女性と息子さんの2人家族です」とか、かなり具体的な話を聞くことができます。ちなみにこのとき売主は近隣の方について、悪くいうことはまずありません。悪く言ったところで、自分にとって何一つ得がないからです。ですから、質問する側は「家族構成から騒音がありそうかな」というような起こりそうな問題を事前に認識しておくのに役立てるための情報を得ることを意識すると良いと思います。
5「理事会にはどの程度の頻度で参加されますか?」
管理組合にどれくらい熱心に参加していたかも聞いていた方が良いでしょう。その上で、組合の雰囲気がどんな感じかとか、どの程度忙しいか、みんな熱心にマンションの未来について考えていそうか、といったことを知っておくと後々便利です。
議事録等を見せてもらえればいずれは分かることではありますが、どのように管理組合が運営されているかについて早めに知っておいて損はありません。
6「住んでいて、ちょっと不便かも・・・と感じた部分はありますか?」
私の場合は、この質問は帰りがけに思い出した感じでするようにしていました。いきなり不便なところを聞くのも失礼ですし、身構えられてしまうとほしい情報が聞き出せなくなってしまうからです。
この質問で、ある物件ではかなり西日がきついことを教えてもらえたり、玄関入口の庇が少し短くて家を出るときに濡れやすいことを教えてもらったりしました。
私はネガディブなことも知っておきたい方なのでこの質問は必ずするようにしていましたが、一方でちょっと注意が必要な質問でもありました。念のために聞いておくつもりで質問したにもかかわらず、不便な点を教えてもらうと案外それが気になってしまうものだからです。たとえば西日が強くてもきちんと対応すれば大丈夫なものなのに、あの家を買うと西日の対応が必要なんだよな・・・と無駄に引っかかってしまったりしました。
ネガティブな要素は知っておいた方がいいですが、あまりそれにとらわれすぎないように気をつけつつ、この質問を活用していただくのが良いと思います。
7「次はどのような家をお探しなのですか?」
これも役に立つ質問です。次に探している家の特徴がわかれば、今の家に対する不満が見えてくるからです。
たとえば、私が内覧した中では「ペットが飼える家に住もうと思っています」と答えてくれた売主さんがいらっしゃいました。そのご夫婦はお子さんがおらず、確かに昔飼っていた猫の写真があったりして、その理由は事実のようでした。そのことから、この物件そのものや隣人トラブルで家を売ろうとしている可能性は低いことが分かりますし、将来ペットを飼いたくなった時には困るかもしれない物件だ、ということもリアリティーを感じながら理解することができます。今はペットが欲しくなくても、いずれは欲しくなるかもしれないといったことも考えておくべきだ、という考えを持つことができるようになるわけです。
8「ご家族構成をお教えいただけますか?」
内覧に行くと、必ずしも売主一家全員で対応してもらえるとは限りません。お子さんを含めて全員が御在宅の場合もあれば、どなたか一人だけ家に残り、他の方は外出しているというケースもありました。内覧の時にいる人だけが暮らしているとは限らないので、そこにいらっしゃる人数で暮らしていると勝手に考えず、必ず売主の家族構成は聞いておきましょう。
自分の家族がその家に暮らした時にどのくらいの家具や荷物の量になるかを計算するために、今住んでいる売主の家族構成を知っておくことが必須です。その人数を元に、自分の家族がその家に住んだ場合の家具のシミュレーションを行っておけば、後々購入した場合にイメージと違うというトラブルを避けられるからです。
念のため、内覧の際には必ず家族構成については確認するように気をつけましょう。
9「お子さんはどちらの学校に通っていますか?」
もしお子さんをお持ちで、これから小学校に通うといったタイミングであれば、学校についてもできれば確認しておくべきです。私立か公立か、公立ならその学区の学校の評判はどうか、越境通学はしているか、その地域の一般的な子どもたちはどうしないるか、といったことについてももしかしたら教えてもらえるかもしれません。
ただし、子どもに関することです。売主によっては答えたがらないかとしれません。質問する前にあらかじめ「もし差し支えなければお教え頂きたいのですが・・・」と断っておくようにしたほうがよいでしょう。もしあまり売主が答えたくなさそうであれば、しつこく聞かないようにしたほうが賢明です。
10「マンションの近くのお気に入りの場所はどこですか?」
単純な質問ですが、結構重要です。周辺の気持ちの良い場所や、楽しく過ごせる場所を教えてもらうのは、とても楽しい気分にさせてくれます。マンション選びは神経を使いますし、これからローンを背負ったり、リスクのことを考えたりするとどうしても疲れてしまいます。
そんなとき、家の周りに楽しく過ごせたり、気持ちよくいられたりする場所がを知ったりすると、自然と気分が上がりますし、このようなポジティブな情報を集めておくと、申し込みをしたり契約したりする際に気持ちよく進められますから、案外手に入れておくと役立つものだったりします。
11「お買い物はどちらでなさいますか?」
ベーシックな質問ですが、ぜひ確認しておきましょう。特に今まで住んだことがないエリアであれば、こういった基本的な情報をしっかりと得ておくことは重要です。
売主に教えてもらったスーパーや商店街には、是非一度足を運んでみましょう。その地域の人たちの暮らしぶりを知るのに、日常的な買い物ができる店を見ておくことは有効です。販売されている商品の価格や種類はどうか。買い物客の年齢層はどうか、服装はどうか。トータルな雰囲気は嫌な感じがしないか。こういったことをしっかりチェックしておきましょう。
12「下のフロアやお隣に音が漏れないように、何か工夫をされていますか?」
これはすこしずるい質問です。騒音に関して知りたいのは主に「上下両隣の音がこちらに聞こえてくるか?」と「こちらの音が上下両隣に漏れないか?」の2点です。
このとき、「よその音がこちらに響きますか?」と聞いてしまうと、たいていの場合は「ほとんど気になりませんでしたよ」という回答が帰ってきてしまいます。売主は積極的にネガティブな点を強調したくありませんので、当然です。
そこで、私の場合は「下のフロアやお隣に音が漏れないように、何か工夫をされていますか?」という聞き方をしていました。そうすると、カーペットを常に敷くようにしているとか、椅子の足に吸音素材を貼っているとか、そういう情報をくださるケースがあるのです。
もし音を出さないように気を使っているのであれば、裏を返せば多少の音漏れがあることになります。しかも、もしもその物件を購入した場合にはそのような工夫をする必要があるかもしれないという参考にできるわけです。
本当に聞きたいことを知るために、少し角度を変えて質問してみるのは気がひけるかもしれませんが、高い金額で購入するかもしれないマンションです。知るべきことはしっかりと知れるように工夫することも大切だと思います。
以上が、私が実際に内覧時に使った質問です。他にもいろいろと質問はしたので、思い出した時に随時追加していきたいと思います。
今後、居住中の物件を内覧する時には、このリストやその他の質問を十分活用して、マンション選びに役立つ情報をしっかり手に入れていただければと思います。
最後に上に記した質問リストを箇条書きにしておきます。内覧時にスマホで見ながらご質問される際などに、ご活用ください!
内覧で売主から情報を引き出すための質問リスト(まとめ)
- 「お引越しされるのはどうしてですか?」
- 「住んでいて一番便利に感じるところはどこですか?」
- 「出勤されるとき、どの駅をお使いですか?」
- 「お隣にはどのような方がお住まいか、ご存知ですか?」
- 「理事会にはどの程度の頻度で参加されますか?」
- 「住んでいて、ちょっと不便かも・・・と感じた部分はありますか?」
- 「次はどのような家をお探しなのですか?」
- 「ご家族構成をお教えいただけますか?」
- 「お子さんはどちらの学校に通っていますか?」
- 「マンションの近くのお気に入りの場所はどこですか?」
- 「お買い物はどちらでなさいますか?」
- 「下のフロアやお隣に音が漏れないように、何か工夫をされていますか?」
おすすめ記事です
居住中物件は、積極的に内覧しよう!
最近のコメント